道徳科の授業をアクティブに変える②-13
子ども主体の授業づくりこそ、アクティブラーニング
道徳授業の学習過程は、導入・展開・終末です。授業の流れを考える上では、大切な授業構造かもしれません。しかしこの流れを重要視するあまり、「導入」は「決まり口調で○○」、「展開」では「発問は○○」、「終末」は「○○としてまとめる」という流れ作業的なシナリオを作り、その枠に子どもたちを嵌めてしまいがちです。そういう授業は子どもたちには、とても窮屈であり、主体性もうまれません。
子ども主体のアクティブな授業づくりを考えれば、「問いづくり・方向づくり・自分づくり」の3つを大切にしなければなりません。
「問いづくり」とは、教師が子どもたちが気に留めていることを察知し、考えたいきっかけをつくることです。例えば、電車の中で席を譲ることができなかった子どもに、「親切ってどういう意味かな」と聞いてみます。このようなきっかけをつくることで、子どもたちが「親切」って何かな、と自ら考えてみたいと思うようになります。その考えたいとする「問い」をつくることは、子ども自身の主体をうみだし、授業の根幹を変えることができます。このような事象は、子どもたちと過ごす生活の中に、大変多く見つけることができます。
「方向づくり」とは、みんなで話し合いながら、これからどう生きていくのかを方向づけることです。よって、教師と子どもたちの一問一答のような授業ではなく、子どもも教師も共に話し合う空間をつくりだすことを大切にします。子ども同士で「ああじゃない、こうじゃない」と楽しく話し合える主体的な授業を展開し、考え→議論→考え→議論の流れをつくることができます。
「自分づくり」とは、子どもたちがこれからのよりよい生き方に向かうために、自分の生き方をつくり・つくりかえ・つくり続けることです。それが「自分の心をつくり、生き方へつなげる」ということです。今日、学んだことは何かをはっきりさせ、これからやってみよう、そうしてみようと意欲的に行動できるまでの自分をつくりだすことです。授業の終わりに、子どもの本来もっている主体性を引きだし、子どもたちが変わっていくエネルギー源を充填できます。
子どもの主体性を大きく広げ深めることで、子どもたちは変わっていきます。そして、このようなアクティブな授業づくりを仕掛けていかなければ、これからの日本の道徳教育は何も変わらないと思うのです。
7月28日と29日は、筑波大学附属小学校の日本道徳基礎教育学会の研究大会に参加しています。当日受付もしていますので、ぜひご参加ください。詳しくは、
日本道徳基礎教育学会のホームページをご覧ください。
大学卒業後、証券会社に入社。その後、福岡県筑紫野市立筑紫東小学校、岐阜大学教育学部附属小学校、東京学芸大学附属竹早小学校ほかで教職に従事。
現在は名古屋市の公立小学校で、道徳教育に磨きをかけながら、食生活の重要性を伝えることに注力しています。
趣味は、旅行、バレーボール観戦、ドライブ。
竹井塾を入口に、日本中で頑張る先生・栄養士・家庭を含め、みんなで子どもたちと食の大切さを語り合える場をつくっていけたらと考えております。
そして将来の夢は、日本の素晴らしい道徳教育を世界にも広げていくことです。