道徳科の1か月-6
道徳科がスタートして1カ月になります。
現場は、おそらく混乱をしていると思いますが、とても静かです。困っていることがあっても黙っているようにも思います。
毎年、多くの学校から派遣申請が届きますが、昨年度と違うのは、講演ではなく教師を児童生徒役に見立てて授業体験をする「模擬授業」や出張先の学校の子どもたちと授業をする「飛び込み授業」の依頼が多いことです。これも時代の流れなのでしょうね。
ですからおそらく混乱というよりは、まだ暗中模索という状態なのかもしれません。また新年度がスタートしたばかりで、学級づくり(人間関係づくり)が大変で、「道徳科どころではない」という現状も垣間見れます。
これから続く小学校での道徳。どうやって子どもたちと向き合っていくのか。やはり日々の積み重ねが、一番大事なことです。長年、道徳教育研究に携わって思うことは、心を育てるということは、一長一短にはいかないものです。特に、学級崩壊後の子どもたちの心の傷は深く、その心を癒し、響く心になるまでには相当な時間がかかります。ですから今から、毎日少しずつでも良いので、教師が積み重ねをしておけば、その積み重ねた分だけ、きっと「良き心」を育てるヒントを多く蓄積できるのではないかと思っています。
また観察力を研ぎ澄ましたり、ちょっとした変化に自分自身が気付くことも大切です。毎日、普通に行動をしていると見えてこないことがあります。例えば、日常的な行動として皆さんも、当たり前のように食事をしますよね。
私は単身赴任の時、外食ばかりになり体調を崩してしまったことがありました。週末に家に帰った時に、家庭の味がとても美味しくて大切なんだろう、と感激したことを今でも思い出します。その時に少しでも自分で旬の野菜を食べたり、体調が変化したときに栄養のある食べ物をとったりしなかったのだろうか、とそれが食を見つめ直す切っ掛けになっています。
毎日、体に良いものを少しずつでも食べることの積み重ね、季節を知ったり、栄養のことを勉強したり、そういう日々の小さな「見つけ」を大切にすることは、自分の心も成長させてくれると思います。また子供たちの会話にも活かされるようになりました。
食事だけではありませんが、このような日々の積み重ねた「見つけ」が、心も健康にしてくれるのではないかと感じています。
日々の食事と心の教育は、とても似ていると思う今日この頃。皆さんは、食と心の教育のつながりを感じたことはありませんか?
大学卒業後、証券会社に入社。その後、福岡県筑紫野市立筑紫東小学校、岐阜大学教育学部附属小学校、東京学芸大学附属竹早小学校ほかで教職に従事。
現在は名古屋市の公立小学校で、道徳教育に磨きをかけながら、食生活の重要性を伝えることに注力しています。
趣味は、旅行、バレーボール観戦、ドライブ。
竹井塾を入口に、日本中で頑張る先生・栄養士・家庭を含め、みんなで子どもたちと食の大切さを語り合える場をつくっていけたらと考えております。
そして将来の夢は、日本の素晴らしい道徳教育を世界にも広げていくことです。