言葉を紡ぐこと-11

「おはようございます」
 先日、ある方に初めてお会いしたときに、「挨拶を交わした時に、その人の気持ちの表れがわかるような気がします」と言われました。
 挨拶、とくに毎朝の「おはよございます」を大事にしている私にとって、この「おはようございます」から始まる会話は、礼を尽くすことでもあり、その短い言葉の中に自分の気持ちを表現できるように、日々大事に使っていこうを心掛けています。
 
「ありがとう」
 道徳授業で、「ありがとう」とは何かを考えたことがあり、その学習のまとめに「ありがとう」の詩をつくることになり、2年生の子が、下のような詩をつくりました。

 

 

 最終行の「ありがとうのことばにありがとう」という感受性が豊かな表現に、言葉のもつエネルギーと魅力を感じたことは言うまでもありません。
 
「いのち」
 2年生の子どもたちと「いのちって、なんだろう」と聞いてみると、次々に自分達の言葉で表現してくれます。
 その中で、いのちの「い」は、いきいきの「い」。いのちの「の」は、のびのびの「の」。いのちの「ち」は、力いっぱいの「ち」。だから「いのち」って、「いきいき、のびのび、力いっぱい生きること」と、自分達でまとめました。
 言葉を使って、自分の考えを伝え、仲間と話し合いながら、また新しい自分の考えをつくることができたのだと思います。だから、「いのち」という表現を、大人が考えるより素敵な表現にできたのでしょう。

 

子ども達は、言葉選びから知らぬ間にエネルギーを得て、いろいろなことを創造していきます。自分を表現したいときに、どのような言葉を紡いでいくのか。いまから楽しみにしています。

竹井 秀文
竹井 秀文名古屋市立公立小学校 教諭/竹井塾塾長

大学卒業後、証券会社に入社。その後、福岡県筑紫野市立筑紫東小学校、岐阜大学教育学部附属小学校、東京学芸大学附属竹早小学校ほかで教職に従事。
現在は名古屋市の公立小学校で、道徳教育に磨きをかけながら、食生活の重要性を伝えることに注力しています。
趣味は、旅行、バレーボール観戦、ドライブ。
竹井塾を入口に、日本中で頑張る先生・栄養士・家庭を含め、みんなで子どもたちと食の大切さを語り合える場をつくっていけたらと考えております。
そして将来の夢は、日本の素晴らしい道徳教育を世界にも広げていくことです。