第58回 世界の食と日本【総括 – ロシア】

竹井塾塾長 竹井 秀文

第55~57回の『竹井塾』は、「世界の食と日本-ロシア編」として、ソフィアさんと油屋さんにお話を伺いました。

第55回『竹井塾』では、ソフィアさんの思い出の味として、各家庭で作るスープ、ピロシキ、オリヴィエ・サラダをあげ、それが「おふくろの味」であり、代表的な家庭料理であることに、食の世界観が共通しているのだと実感しました。

また油屋さんの話の中で、ロシアでもニュージーランドでも、食事は家族と一緒が基本ということを聞いて、家族との時間を大切にすることは世界共通の大事なことだと思いますし、その中心に「食」があることを、近年の日本は忘れてしまっているような気がします。

第56回の『竹井塾』では、ロシアの人たちはキノコを食べるのだと、単純に驚きました。まったくイメージになかったからです。日本人もキノコが好きな人が多いかと思いますが、ロシアの人たちとはキノコの話題で会話が弾みそうであり、意外なところで共通点を見つけました。

またロシアでは、大人と一緒に子どもの頃からキノコ狩りに出かけ、キノコの知識などを含めて、自然から教わることがあるのでしょう。

現代の日本の社会だと、スーパーなどで食材を買うことが多いですが、自分たちが食べる野菜などを、自然と関わりながら収穫することができたら、自然からの恵みに対する感謝や自分たちが生かされていることに気付く、ひとつの切っ掛けになるかもしれません。

第57回の『竹井塾』では、今度は肉の話になりました。寒いロシアでは身体を守るためだと思いますが、豚の脂身を食することで脂肪を体内に蓄えるという生活の知恵なども聞けました。

また多民族国家であるロシアであっても、基本的な食事はどこでもあまり変わらないのに、日本の各地方での食文化の発展を考えると、私たちはどれだけそのことに誇りをもっているのだろうか、と感じました。

地元で収穫された食材を用いて、いろいろな料理を作り、家族でそれを食べる。自然や生産者に感謝し、みんなで食べられることの幸せについて、もういちど振り返って考えるときではないでしょうか。

【博多弁の総括】

竹井 秀文

やっぱ、一人でん食事はつまらんばい。
家族みんなで食べるけん、おふくろの味は、おいしかとよ。

竹井塾 塾長 竹井 秀文