第98回 夜明け②

一般社団法人エルフ設立メンバー

  • 八木眞澄(代表理事)
  • 内野 祐(筆頭副会長)
  • 米田安利(副会長)
  • 渡邉達生(八洲学園大学教授)
  • 竹井秀文(竹井塾塾長)
  • 松尾博史(㈱洛慈社代表取締役)

「竹井塾」を発展させ、「『食の学び場』づくり」を目指して設立された一般社団法人エルフ。設立後の経緯をメンバーのやりとりを交えてたどる。

(食品ジャーナリスト 内田正幸)

メインテーマは決まったものの

内田-

「竹井塾」の第83回から第86回まで、「食の学び場」づくりの基調となるメインテーマについて竹井塾長にインタビューしました。具体的には「滋味を伝える」「身土不二しんどふじを大切に」「和食観を活かす」、それに「よい食事・美しい食べ方を求める」の4つでした。

八木-

これをベースに字句の修正は若干ありましたが、「滋味」「身土不二」「和食観」「よい食事・美しい食べ方」という基本とする言葉に改変はありません。ただ「和食って何?」と問われた場合、メンバー全員が共通認識をもっておく必要がありました。他の3つを含めてその内容を議論し、定義づけを済ませました。それと並行して事業内容について検討を続けました。

竹井-

「滋味を伝える」ための“食の学び場”、「身土不二を大切に」するための“食の学び場”というように、テーマと“食の学び場”はつながるしスッキリします。事業を考える上でテーマのすべてを網羅することがベストなのでしょうが、どれか一つでもかなうならチャレンジする意味はあると思っています。

内野-

会議で時間を割いたのは具体的な事業内容です。「こんなことをやってみたい」という提案はすでに20以上あります。定款に盛り込んだ「食を学ぶための出版」活動はその準備が進んでいます。また、講演会の講師の人選もある程度進み、ご本人から快諾を得ているケースもあります。ただ、会議で突っ込んだ議論に至らない提案もあるのが現状です。

八木-

ですから、できることから進めるしかありません。1年間はエルフの基礎固めをする時間に充てるというスタンスでいいと思っています。

松尾-

そこで「いまできる事業」と「これからやりたい事業」、そして「将来やりたい事業」の仕分けをすることが急務になり、その上で「いまできる事業」を核にして、会社案内の作成に取り掛かりました。しかし、表紙のメインタイトルにどんな言葉を据えるのか、また、4つのテーマに添える文言の扱いや事業紹介などを巡って二転三転しましたね。

内田-

よくまとまりましたね。

渡邉-

会社案内はエルフの理解を深めるための大切な情報ツールです。どういう事業を展開するのか、理解が得られやすい形で載せることが大切だったので、しばしば熱い議論が交わされましたよ。

米田-

それを含めて方向性は一致したものの、細部にわたって全員が納得をするのは容易なことではありませんでしたけど…。

内野-

そこでメインテーマは、言葉そのものを伝える重要性もあったので、難しいと思われてもそのまま残し、それを柔らかく表現しようとイラストを中心にして、短い文章にしました。それを「事業の姿」へと分かりやすく、どのように表現して結び付けていくのか?これがもっとも悩んだところです。

八木-

「いまできる事業」を核にすることを前提に、その具体的なイメージとして提案された「事業の姿」が“トライアングル事業”であり、エルフとしては、そこに「風」をフーフー吹いてみて、そのことで人々が少しずつ幸せになれるようなお手伝いをしたいと考えています。

内田-

トライアングルですか…どのようなイメージでしょうか。

内野-

例えば、生産者と消費者、その間に位置する関係者の3点をトライアングルのようにつなげ、私たちは皆さんの力を借りて、推進力(風)を起こし、情報や写真などを共有化し相互の理解を深め、循環を図っていくことで新たな価値を見出すことを基本形としました。

渡邉-

その基本形以外にもいくつかの“つながりパターン”が提案され、関係者との話し合いを進めています。基本となる「事業の姿」をうまく表現できるようにしたいのですが、会社案内やホームページが完成しても、最後は、我々が直接話をして納得していただけるようにしなくてはなりません。

内田-

ホームページの作成は進んでいるのでしょうか?

八木-

「食の学び場」として大切なツールですが、作業は遅れ気味です。ただ、コンテンツは大筋で合意されているので、一気呵成いっきかせいに進むと思います。


次回は、悩む!悩む!ホームページは、どうすれば!