第66回 世界の食と日本【総括 – ケニア】
竹井塾塾長 竹井 秀文
第63~65回の『竹井塾』は、「世界の食と日本-ケニア編」として、東京大学に留学中のカサリン・カリウキさんに、ケニアの食についてお話を伺いました。
第63回『竹井塾』から始まったケニア編ですが、ケニアというとマサイ族、サファリツアー、サッカーなどを頭の片隅に思い描くことができましたが、「食」については何ひとつ浮かぶことはありませんでした。
そして話を伺うと42の民族にわかれ、それぞれで食文化が異なる点は、これは今まで話を伺った国や地域と同様であり、それがそのまま各地の良さに繋がっていることに、いつも興味をひかれます。またケニアの食の話を聞くだけでも、「行ってみたいな」、「もっといろいろな物を食べてみたいな」という親近感を覚えるのは私だけでしょうか。
そして取材後に食した「ウガリ」は、そのまま食べても無味ですが、スープなどと一緒に食べることで味わい深いものになりました。
第64回『竹井塾』では、塩味の豆料理を食べる機会があれば挑戦したいと思いました。またここでは、ケニアの女性は10歳頃になると家族の食事を作るのは普通なことと伺い、家族のために食事を作ることの大切さを、特に強く感じました。このような話からさらに刺激を受けて、いま『竹井塾』の仲間では、以前より増して「親子で一緒に学べる食の場づくりを増やしたい」という機運が高まっていて、2019年には何かしらの活動を始めようとしています。
第65回『竹井塾』で、ケニアでは「一人で食事はいけない、一緒に食べよう」と、食事に誘われると聞いて、ケニアは幸せの国、優しい人々が暮らす国という印象をもちました。
食事は一人でしないという考え方が、文化にまで発展していることに驚き、日本でもそれが定着していたら、「孤食」という言葉さえ生まれなかったかもしれないですね。
また、お菓子などのデザート文化ではなく、フルーツが食文化のひとつとして根付いていることはケニアらしさを感じられ、そういえば昔は実家では「コタツにみかん」が、当たり前だった時があり、ふと懐かしさを覚えました。
それに公共的なスペースに実っているフルーツは、誰が食べて大丈夫というのは、もしかしたら「一人で食事をしない」、つまり「みんなで分かち合う」ということなのかなと思いました。
食をみんなで共有する。
食を通して心を通わせる。
食には、人づくりの原点がある。
だから大切なのだと、今回の話から深く感じたところです。
【博多弁の総括】
食事は一人でしたらいかんばい、おいしくなか。
みんなで食べるけん、どけな料理でん、うまかとよ。
本当においしか料理は、みんなで食べる料理たい!
竹井塾 塾長 竹井 秀文